この記事では、「リュウグウノツカイ」及び「深海魚と地震の関連性」について紹介していきます。
皆さんも、「深海魚が人の前に姿を表すのは、地震の前触れ」だと一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
もしこれが事実ならば、深海魚の出現は防災のためにとても役立ちます。
しかし、深海魚の生態についてはわかっていないことも多く、このことを裏付ける調査はなかなか行われていません。
そこで、まず、深海魚の中でもリュウグウノツカイについて紹介していきます。
さらに、「深海魚の出現」と「地震の発生」は無関係であると結論付けた論文を紹介し、この謎に迫っていきたいと思います!
![まさくん](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/masa_plane-1.png)
深海魚ってまだまだ謎が多くて面白いよね!
地震を引き起こすっていう言い伝えも来たことがあるよ!
![ミスター琥珀](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/kohaku_plane.png)
深海魚の出現は、果たして地震の前兆なのかな?
今日は、気になるその謎に迫っていくのであります!!
リュウグウノツカイ
みなさんは、リュウグウノツカイという深海魚をご存知でしょうか?
深海魚の中では、とても馴染みのある種類で、時々浅瀬に姿を表すこともあります。
その姿はかなり特徴的で、とても細長い体に、長くたてがみのようなヒレがついています。
![のり](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/nori_laugh.png)
とってもゴージャスな見た目だよね!
竜宮城に行ったら、王様になってそう(笑)
名前の由来
神秘的な姿をしていることから、和名で「竜宮の使い」とついたほど。
ヨーロッパでは、伝説の生き物「シーサーペント」の起源であるとも言われています。
また、英名では「King of Herrings(ニシンの王様)」と呼ばれ、ノルウェーには、「King of Herrings(ニシンの王様)」を傷つけると、ニシンが不良になるとの言い伝えもあります。
![まさ](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/masa_surprise.png)
世界中に、逸話があるほど有名な深海魚なんだね!
生息地域もかなり広いのかな??
生息地域
打ち上げられた場所や、目撃情報から、太平洋・インド洋・大西洋など世界中の海に分布しているようです。
ただし、実際に生きて泳いでる姿はなかなか記録されず、未だわかっていないことも多い種類です。
尻尾を自切する!??
リュウグウノツカイは、発見時に尻尾がちぎれている個体が数多く確認されています。
実は、トカゲのように尻尾を自切することができるのです!
自切する理由としては、次の2つが考えられています。
・敵に襲われた時に、尻尾を犠牲にして逃げるため。
・体のサイズを小さくし、エネルギー消費を抑えるため。
エネルギー消費を抑えるために、体の一部を捨てちゃうなんて大胆ですね…。
![ミスター琥珀](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/kohaku_surprise.png)
レオパの吾輩には、そんな大胆なことできないのであります!!
深海魚と地震の関係性
リュウグウノツカイをはじめとした深海魚の出現は、地震の前兆であると言われます。
これについては、科学的根拠に乏しく、その真相は疑わしいものでした。
しかし、ある論文内にて「深海魚と地震の関連性」について言及しておりましたので、一部を紹介しつつ、考えていきたいと思います!
紹介論文引用元:Is Japanese Folklore Concerning Deep‐Sea Fish Appearance a Real Precursor of Earthquakes?
https://pubs.geoscienceworld.org/ssa/bssa/article-abstract/571628/is-japanese-folklore-concerning-deep-sea-fish
過去の研究・報告
こうした言い伝えは、人々にどれだけ信じられているのでしょうか?
論文によると、18世紀から20世紀にかけて、深海魚の出現と地震の発生を結びつけた報告は存在するようです!
しかし、これらの中には、統計処理を怠ったものも存在し、これらの関連を決定づけることは難しいようです。
また、「ある生物の行動と地震の発生に関連がない」ことを結論付けた研究としては、次のものがありました。
2011年、東日本大震災発生の一週間ほど前に、カズハゴンドウと呼ばれるクジラの仲間が、集団で海辺に打ち上げられているのが発見されました。
ご存知の方や、ご興味のある方も多いのではないでしょうか?
統計的には2011 年 3 月 4 日に鹿島灘で確認されたカズハゴン ドウのマス・ストランディングと,同年 3 月 11 日 に発生した東北地方太平洋沖地震とは関係がなかっ たと言える.
引用元:2011 年東北地方太平洋沖地震前に発生したマス・ストランディング -鹿島灘における鯨類のストランディングと日本周辺の地震との関係-
http://www.scc.u-tokai.ac.jp/~289077/bulletin/files_for_bulletin/36_39-46orihara.pdf
![ミスター琥珀](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/kohaku_plane.png)
生物の行動と自然災害を結びつけるのは、難しいのであります。
調査
著者らは、深海魚の出現に関するカタログを作成しています。
これを元に、
・深海魚出現後にマグニチュード6.0以上の大きな地震が、深海魚の出現したエリア周辺で発生する確率(以下、EOR)と深海魚の出現の関連性を調査
・危険から身を守る観点での、深海魚の出現の有用性
について議論しています。
評価の方法
評価に用いるのは、「深海魚の出現が地震を予見させた確率(PG)」です。
こちらの導出について、以下にまとめましたが、少し難しいので飛ばしていただいて結構です。
ここで地震の発生数は、深海魚が出現した地域周辺のもの(論文中では、厳密に定義されています。)となっています。
関連性の評価
著者らのまとめた結果によると、深海魚の出現が地震を予見させた確率PGは、最大で11.1%となりました。(深海魚の出現から30日以内に、出現場所から半径50km以内で、マグニチュード6.0以上の地震が起こる場合)
これは言い換えると、深海魚が出現しても少なくとも88.9%の場合は、地震と全く関係がなかったと言えます。
さらに、深海魚出現からの日数、出現場所からの半径、マグニチュードの大きさが変わると、多くの場合において、PGが0もしくは、極めて低い値となりました。
これらのことから、深海魚の出現と、地震の発生には関連性がないと言うことができます。
まとめ
![のり](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/nori_plane.png)
リュウグウノツカイは、とっても神秘的な生き物で、その分謎も多いことがわかったよ!
だけど、深海魚と地震の関連がなさそうなのは、ちょっと残念かも(笑)
![まさくん](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/masa_laugh-1.png)
深海魚と地震には、関連がなかったけれど、他の自然現象に動物と関連するものがあったりしないかな?
![のり](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/nori_surprise.png)
そういえばミスター琥珀は、温浴後とか、暖かい日によくうんちをするけど、何か関係があるのかも!
![ミスター琥珀](https://www.exotechblog.com/wp-content/uploads/2019/06/kohaku_angry.png)
それについては、どうしようもないのであります!!!
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